各国のCSV,ER/ES

こんにちは、FSZ鴻池です。
コンピュータ化システムバリデーション(以下、CSV)超入門、各国のCSV,ER/ESについて書きたいと思います。まずは、各国の体系から、そして内容を。
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コンピュータ化システムバリデーション(CSV)
CSVとは、”Computerized System Validation”の略で、日本語ではコンピュータ化システムバリデーションです。厚生労働省の医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下、薬機法)に関わる企業、製薬(医薬品、医薬部外品、再生医療)、医療機器、健康食品、化粧品などが、開発(GLP:非臨床、GCP:臨床)、製品(GQP、GMP、QMS、GCTP)、物流(GDP)、市販後(GVP、GPSP)などの業務に利用するコンピュータ化システムの開発と運用を適正に管理し、信頼性を確保して、以下のことを保証することです。

・意図したとおりに動作する
・規制に適合している

但し、CSVという表現はGAMPでは利用されているものの、厚生労働省などの日本の省令では一切利用されておらず、日本の業界標準での通称で利用されています。
 
 
コンピュータ化システム適正管理ガイドライン(平成22年10月21日)
厚生労働省から出ているコンピュータ化システム適正管理ガイドライン(以下ガイドライン)の文頭の説明は難しいです。

<原文>
「医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令」(平成 16 年 12 月24 日厚生労働省令第 179 号) (以下「GMP省令」という。) が適用される医薬品又は医薬部外品を製造販売する製造販売業者又は製造する製造業者等における、「医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器の品質管理の基準に関する省令」(平成 16 年 9 月 22 日厚生労働省令第 136 号)及びGMP省令に基づく業務に使用されるコンピュータ化システムに係る適正管理ガイドラインを別添のとおり定め、平成24年4月1日より適用することにしたので、貴管下製造販売業者等に対して周知徹底を図られるようお願いします。

厚生労働省発令薬食監麻発1021第11号より抜粋

正直、私は読んでピンと来なかったです。で、簡単にすると、
「平成16年12月24日にでたGMP省令と平成16年9月22日にでたGQPに関する省令に関わる業務でコンピュータ化システムを利用する場合はコンピュータ化システム適正管理ガイドラインを基準としましょう」ということが記載されています。
ここでややこしいのはそのスコープ。平成16年12月24日にでたGMP省令の対象は「医薬品又は医薬部外品を製造販売する製造販売業者又は製造する製造業者等」ですが、平成16年9月22日にでたGQPに関する省令の対象は「医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器の品質管理の基準」となります。
文面だけではちょっとわからないこともありますが、結局、ガイドラインなので法的拘束力はありませんが、製薬、医薬部外品、再生医療などの分野ではこのガイドライン相当のコンピュータ化システムの品質管理をするべきという見解で、医療機器、化粧品、健康食品の分野では、是非参考するべきということです。
 
 
GAMP(Good Automated Manufacturing Practice)とは
・任意団体ISPE(国際製薬技術協会)が公表しているCSV実践ガイドラインで遵守の必要はない。最新版はGAMP5。
・2000年にISPEの傘下となり、GAMP4は米国FDAのレビュー受け、グローバルスタンダードとなった。日米欧でこの考え方を導入している企業が多数なので、実質的な世界標準のCSVガイドライン。
・各規制当局がCSV実施における参考文書としてあげられており、日本の新適正管理ガイドラインの質疑応答集でも「ガイドラインに代わる適切な方法」とされている。
 
 
PIC/S(Pharmaceutical Inspection Convention/Scheme:医薬品査察協定および医薬品査察スキーム)とは
・原文、PIC/Sの公式サイトより
・FDA、日本も加盟
2004年7月に発行された「GOOD PRACTICES FOR COMPUTERISED SYSTEMS IN REGULATED “GXP” ENVIRONMENTS」は、要求事項をまとめたもの→EU GMP Annex11で 要求されているコンピュータ化システムへの規制に対する解釈と査察官 に対する教育的な資料となっている。
・日本の適正管理ガイドラインでガイドライン施行前に導入済みのコンピュータ化システムの適格性確認方法とされている。