FDAはサルタン系医薬品を40種以上評価して、ニトロソアミン系不純物が含まれない医薬品のlistを公表
4月4日付で、FDAは、ニトロソアミン系不純物を含まないサルタン系医薬品のリストを公表した。
FDAが分析評価したサルタン系医薬品list
FDA’s Assessment of Currently Marketed ARB drug products
https://www.fda.gov/Drugs/DrugSafety/ucm634620.htm
FDA Statement
Statement from FDA Commissioner Scott Gottlieb, M.D., and Janet Woodcock, M.D., director of the Center for Drug Evaluation and Research on the agency’s list of known nitrosamine-free valsartan and ARB class medicines, as part of agency’s ongoing efforts to resolve ongoing safety issue
For Immediate Release April 4, 2019
併せて、暫定基準のHPを更新している。
FDA updates on angiotensin II receptor blocker (ARB) recalls including valsartan, losartan and irbesartan
https://www.fda.gov/Drugs/DrugSafety/ucm613916.htm
注目する点をまとめた。
- サルタン系医薬品中にニトロソアミン系不純物が含まれていることが、拡大している。多くは、回収措置を行っている。このため、バルサンルタンを含む医薬品で、欠品がアメリカで発生している。同様に、サルタン系の医薬品に不純物汚染が広がっているため、他のサルタン系医薬品でも欠品の可能性が出てきた。
- FDAは、サルタン系の医薬品の服用をやめることよりによる高血圧等のリスクは、ニトロソアミン系不純物による発がんのリスクよりも大きいから、患者は服用を中止しないようにFDAは呼び掛けている。
- この不純物の製造での生成に関して、医薬品製造所に情報を開示している。特に製造工程の管理強化を望んでいる;特に、原料、溶媒(回収)の管理が必要。
詳細は、下記の私訳を参照願います。
高血圧や心不全の治療に使用されるアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)として知られる薬物に含まれる不純物の調査を発表して以来、私たちはこの問題がどのように生じたのかを理解しています; この不要な患者への危険性、そして将来の治療でこれらの種類の不純物が再度混入するのを防ぐために私たちができること。 ニトロソアミン類の遺伝毒性不純物の検出は、医薬品にこれらの不純物が含まれていないことを望む患者にとっては憂慮すべきことです。 また、リスクアセスメントを通じて、ARB医薬品中のニトロソアミン類(環境汚染物質としても知られ、水や食物、肉、乳製品、野菜に含まれる)への最大可能なばく露は少ないように思われますが、 医薬品では許容できません。
この問題に対する私たちの対応は、一貫しています。 – 各国の規制当局との協力、FDA内の化学者、毒物学者、医師、薬剤師、コミュニケーション専門家、研究者および分析研究室スタッフの網羅的なワーキンググループが対応。 FDAは、サルタン系医薬品を必要とする患者へのリスクを最小限に抑え、安全なARBまたは許容できる代替療法の提供を確実にし、汚染の可能性がある医薬品を米国のサプライチェーンから確実に排除することをしてきました。 まだやるべきことはたくさんありますが、これらの不純物の危険にさらされることから患者を守るための取り組みは大きく進歩しています。
昨年の夏に最初のニトロソアミン不純物の混入が検出から、今日までに、FDAはこの数が増えることを期待して居ますが、40のサルタン系ARB薬にニトロソアミン不純物を含んでいないと判定しました。 FDAの目標は、患者のために容認できる治療選択を考慮している医療提供者を援助するためのこの情報提供のためです。 FDAの判定・評価は、FDAのlabが実施した不純物の分析試験、サルタン系ARB薬に含まれる医薬品有効成分(API)の製造プロセスの評価、ならびに製造業者および国際機関から入手可能なその他の情報を考慮しています。 規制当局。 FDAは、追加の情報を検索し、他のARB薬の評価が行われるに伴い、ニトロソアミンを含まないサルタン系ARB薬のリストを更新していきます。
また、ニトロソアミン不純物の残留量が暫定的基準を超えるレベルで含まれている場合は、製造業者と協力して回収します。影響を受けている医薬品を回収することは、欠品につながっています。現在 FDAは欠品を軽減し防止するために取り組んでいます。現在、バルサルタン製品は不足しており、他のサルタン系医薬品も近いうちに欠品になる可能性があることを、FDAは承知しています。FDAは、暫定的に許容レベルを超える不純物を含む特定ロットのロサルタンを短期間だけに流通させることには反対しています。安全性データを慎重に評価し、患者への利益とリスクを考慮した後、不純物が含まれないロサルタンが供給されている現状、患者にこの不純物の無いロサルタンを提供することは重要です。FDAの科学者達は、不純物のないロサルタンを市場に投入するのにかかる時間を考慮しても、これが癌の有意なリスク増加をもたらすことはないと考えています。FDAは、製薬企業がニトロソアミン不純物を含まないロサルタンをおよそ6ヶ月で米国への供給を補充することができると予想します。これらの重要な薬を突然中止した場合の脳卒中などのリスクは、これらの不純物を含む医薬品を投与を継続するリスクよりはるかに大きいとFDAは信じています。
上記の判定済みの40種類のサルタン系医薬品のリストには評価中の市場に出回っている他の製品も含まれています。 これらのARBについては、FDAの総合的な判定はまだですが、現時点ではニトロソアミン不純物は検出されていないか、中間の許容摂取限度を下回っており、流通販売することができます。FDAは製造業者と協力してこれらの不純物を含む医薬品は、市場から排除するつもりですが、ARBを必要とする患者が今すぐ提供できるようにする必要があることも認識しています。
また、医薬品およびAPI製造業者に対して FDAが行った措置に関する最新情報も提供しています。製造業者と申請者に製造中のニトロソアミン不純物の混入する可能性のある要因(特定の化学物質や反応条件が医薬品のAPIの製造工程に存在する場合に生じる可能性があることを理解しています)を連絡しています。将来これらの不純物がARBに混入しないようにするために製造者がとるべきであるステップをです。これらのリスクに加えて、FDAの提供された情報には、汚染された原材料、特に溶剤や触媒が原因の可能性を強調しています(特にこれらが再利用される場合)。製造業者は、医薬品を製造するために使用する原材料がリサイクルされているかどうかを確認する必要があります。また、製造業者には、供給業者から受け取る材料にニトロソアミンが含まれていないことを確実に確認します。患者の掛かり付けの薬剤師が代替薬を提供するか、医師が代替治療の選択肢を提供するまで、サルタン系ARB薬が回収されたことを知ったとしても患者は自分の薬を服用し続けるべきである。サルタン系ARB薬の使用を突然中止することに伴うリスクは、私たちの科学者が患者の医師または薬剤師が安全な代替品または別の治療選択肢を提供するまで薬の継続する際の推定リスクをはるかに上回ります。 FDAはサルタン系ARB薬の供給を注意深く監視しており、欠品が起これば、予想されれば一般に通知します。今日のニュースは、もう一つの前向きなステップです。医療従事者は、高血圧、心不全、または不足している場合の腎臓病の治療に使用できる代替薬に慣れておく必要があります。
不純物が混入したサルタン系ARB薬の使用に伴うリスクは非常に低いにもかかわらず、サルタン系ARB薬はニトロソアミン不純物を含まず製造できることを十分に認識しており、製造業者と協力してその目標を達成しています。 FDAはこの問題優先し続けます、そしてFDAは我々の調査と査定について消費者、ヘルスケア提供者と産業に更なる最新情報を提供して患者の安全を確実にします。 私たちは、医薬品製造プロセスにおける遺伝毒性不純物の生成を検出および防止するための科学および基準を引き続き改善していきます。これは、今後数カ月間も焦点が絞られる分野です。