2016年師走、GDP近況

2016年度(FY2016)に施行されるといわれているGDPですが、なかなかその全容は見えてきません。しかしながら、製薬会社、卸、3PL、保管会社、輸送会社、梱包材会社、貿易会社と、製薬ビジネスのSCM(物流)関係のいろいろな企業様のお話を聞かせていただいていると、やはり、今年度中には、行政から、省令、施行通知、ガイドラインのどれになるのかははわかりませんが、なんらかの通知があるだろう予想されています。

この通知から、2年後の2019年までに、現在ある数々の課題を1つずつ解決していくという認識をお持ちのようです。取り組むべきは、大きくは3つ
・品質維持(温度、湿度、光、振動)
・盗難
・偽薬
ですが、その中でも日本で一番注目されているのは、やはり温度管理だと思います。輸送中や荷渡し、倉庫内での温度を維持したままでの作業が難しい局面も有り、その逸脱、OOSの取扱なども課題となっていると思います。

今年の中頃まで、私はGDPの位置づけを間違って理解していました。それは
「GDPはGQP配下である。」という理解です。製薬会社がすべての流通も把握すること!というものだと考えていました。。GQPで、GMP、GDPも統括する。そんなイメージでした。しかし、勉強していく中でそれは間違っていて、現実は異なるということを知りました。

なぜ、このよう勘違いしていたかというと、個人的な意見ですが、GDPはSCMに関わる沢山の会社様がそれぞれの守備範囲をそれぞれで管理されようとしています。トレーサビリティの観点からは、それらはすべて連結されていることがのぞましく、医療現場から、GDPたる物流ルートを遡ってGQP、GMPまで、一貫してトレーサビリティできることが最善だと考えていたからです。

しかしながら、それは企業間の関係もあり、難しすぎるというのが現実ですね。

GDPに関するインターネット上のニュースを集めてみました。ご参考になれば幸いです。

■最近のインターネット記事

2016/9/12 製薬協 GMP事例研究会
PIC/S GMPの最新動向とPMDAの指摘事項について
http://www.jpma.or.jp/information/quality/pdf/161006_1.pdf

2015/12/11 日本製薬団体連合会
PIC/S GDPガイドラインアンケート調査結果について
http://www.fpmaj.gr.jp/documents/nyo805-2.pdf

2015/10/30 薬事日報
GDP関連ガイドライン、企業の74%が「作成せず」
http://www.yakuji.co.jp/entry46989.html

2015/9/4 厚生労働省
医薬品産業強化総合戦略~グローバル展開を見据えた創薬~
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000110794.pdf

■PHARM TECH JAPANの記事から

2014.11 欧州連合における医薬品の販売承認と品質評価(第3回)
2015.03 これからのGDPの展望とPICS-CDPの概要
2015.05 図解で学ぶPICS GMP(製剤) PICS GDP(医薬品流通基準)ガイド
2015.09 PIC SサプライチェーンマネジメントとGDP
2015.09 関西国際空港における高品質医薬品輸送について
2015.09 EU-GDPガイドライン:ヒト用医薬品の活性物質に関する…
2015.09 第28回インターフェックスジャパンにてPIC S GDPについてのセミナー開催
2015.12 原薬流通基準(GDP)ガイドライン
2016.03 EU GMP Annex15改訂がGDPへもたらす影響
2016.06 製薬企業におけるPIC%2FS GDPガイドラインとのギャップ・問題点について
2016.10 GDPありのままに(前編)
2016.11 GDPありのままに(後編)
2016.12 日本PDA製薬学会QAQC委員会主催GDPワークショップレポート

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