PMDA無通告査察でわかってきた製造所の課題|2017前半

PMDAでは無通告査察を一般化していますが、やはりこれまでに見られなかった製造所の課題が浮かび上がってきたようです。

ポイント1
データの信頼性、作業の信頼性を上げる活動が必要!

1.製造作業担当者は、実際の作業時に個人用メモを見て作業している。
 ・作業手順書、記録書では、実際の作業ができない。
 ・作業を担当するまでのOJTが不足している

2.試験のやり直しを逸脱としてあげていないケースがある。従って初回の試験記録を保管しておらず、やり直した理由の妥当性が不明。
 ・不適合結果が、適合となっている恐れ。

3.用途不明で出納管理されていない検体が、管理されていない冷蔵庫に置かれている。
 ・ 再試験に勝手に使用されるリスク

4.生の記録を照査や査察対応のため、別の記録様式に清書している。
 ・生の記録が廃棄されてしまう(生データ保管の必要性)。
 ・記録用紙の発行管理が不徹底。

ポイント2
基本的な工場管理の必要性を再認識を!

5.表示のない(さらに管理者が不明の)記録書ファイルや文書が、居室や倉庫に散在している。
 ・文書及び記録が管理されていない。
 ・トレーサビリティーが取れない。
 ・法令で規定された記録の保管期間の完了前に廃棄されるリスク。

6.廃棄品がずっと放置されている。

 

 

これらの根本的な原因は、

医薬品の製造工場として基本的な整理・整頓・清掃・清潔・しつけという活動の必要で有るということ、医薬品を製造する工場として、責任者による日常的な点検やパトロールなどの活動も重要である。

とPMDAでは考えられています。

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