Warning Letter(FDA)2018.7.17
欧州医薬局、FDAの査察結果で、不適合と判断された製造施設の情報を開示しています。現在、厚労省より求められています、供給者管理の参考資料として、活用いただければ幸甚です。今回は、日本のAPI製造者のため、USAに登録がある医薬品のUSAへの輸出に影響があるかもしれません。
項目 | GMP コンプライアンス | 詳細 | WARNING Letter |
国 | 日本 | 分類 | API |
FDAは、2017年11月13~17日にYuki Gosei Kogyo Co., Ltdを査察しましたが、その際、重大なGMP違反が観察され、改善計画が不十分と判断され2018年7月17日付けで、FDAはWarning Letterを発出しました。
概要
製造所名:Yuki Gosei Kogyo Co., Ltd.
住所;Ochiai 788, Joban Nishigo-machi, Jobannishigo-Machi Iwaki, Fukushima、JAPAN
HP:https://www.yuki-gosei.co.jp/overview/
査察対象:API
WLの内容;データの完全性。
主な指摘事項;
APIが確立された仕様と標準に準拠していることを確認するために実施されたすべての品質試験から得られた結果に関してデータの完全性を維持できない。
貴社は、APIのテストからの完全なデータが公式バッチ記録に含まれておらず、品質部門によってレビューされていることを保証していません。 たとえば、2015年7月28日に分析された(b)(4)ロット#(b)(4)の関連物質試験の合格結果を報告しました。しかし、査察官は、 同日と翌日の同じlotに関してOOSを報告していないことを発見した。 あなたは、ロットの出荷判定前に品質部門によってこの試験結果を照査していない。 査察官は、米国市場向けではない他の製品と同じことが起きていると報告しています。
貴社の#483への回答では、「試分析」の実施がHPLCカラムを調整するための試料液で実行されたと説明しました。 しかし、貴社の説明では、標準液を用いる代わりに試料液を使用して「試行分析」を実行した理由、またはUSP <621>に記載されているシステム適合性テストにこの追加の試験を行ったか理由を説明していません 。また、査察後に行われた回顧的レビューでは、バッチ記録で報告されていない電子データが検出されたことを認めました。 貴社の照査は品質試験室のデータのみを評価し、CGMP施設内のすべての操作・データを評価しませんでした。 さらに、貴社はレビュー基準と方法を詳細に提示しませんでした。
FDAの対応
改善がFDAに認められるまで、新規申請は承認されない
注;このWLの背景には、同製造所が、December 9, 2010付でWLを発出されている。その際の主な観察事項が品質試験室のデータ完全性であった。このため、改善が認められなかったとのFDA判断があったと推測される。
詳細は、FDA のURLを参照願います。
https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm614609.htm