FDAは後発医薬品を対象にしたdraft guideの取り下げを発表

FDAは後発医薬品を対象にしたdraft guide:承認済み医薬品および生物製剤のための表示変更を提案する補足申請の取り下げを発表した。

  1. 発表の要旨

2013年11月、FDAは、最終承認が得ていれば、ジェネリック医薬品メーカーが、独自にFDAの審査と承認を受けることなく、医薬品のラベルの新たな安全情報の更新および迅速な発出を許可するルール(承認済み医薬品および生物製剤のための表示変更を提案する補足申請)を提案した。

その後、公聴会の開催、public commentを募集したが、広く反対意見、懸念が示されたため、FDAは、このguideの施行を断念、取り下げることを決定した。

 

  1. このdraftのguideの背景

現在は、先発医薬品企業のみが、医薬品のラベルに新しい安全性情報の更新・発出ができる。

大まかな概算では、ジェネリック医薬品に対応する約5,600の先発医薬品がアメリカには存在します。これらの医薬品の承認済み先発医薬品が引き続き存在する場合、FDAは先発医薬品のラベルを更新するために先発医薬品企業と協力することができます。しかし、先発医薬品のうち、1,170種の薬品は、安全性または有効性以外の理由で、先発医薬品製造業者が、供給中断または取り下げされている。たとえば、先発医薬品はビジネス上の決定の結果として取り下げられた可能性があります。先発医薬品メーカーが自発的に市場から撤回した場合でも、先発医薬品に対するジェネリック医薬品は引き続き承認され、販売されます。しかし、先発医薬品製造業者は、必要なラベルの更新を行うことにもはや責任を負いません。これは、いくつかの医薬品のラベルの更新ができなくなることを意味する。多くの場合、これらの薬は古い医薬品である可能性があります。しかし、これらの長期収載薬の多くは、現代の治療法では依然として非常に有用である。

更新されない先発医薬品のラベルは、ジェネリック医薬品の使用を抑制し、低コストの医薬品への患者への提供の機会を減らすことになる為、ラベルの更新指示は重要な作業です。

 

  1. このdraft guideの目指したもの

現在は、先発医薬品企業のみが、医薬品のラベルに新しい安全性情報の更新・発出ができる。このルールが導入されれば、ジェネリック医薬品メーカーは独自に医薬品ラベルを新しい情報で更新することができました。

 

  1. ジェネリック医薬品業界の意見;
  • 提案した規則がジェネリック医薬品の価格を引き上げる可能性のあるジェネリック医薬品メーカーへの新たなコスト負担、ジェネリック医薬品への患者の提供に潜在的に影響を与える可能性がある
  • マルチソース医薬品(一般的に、ジェネリック医薬品とブランド医薬品の両方として入手可能な長期収載薬)では、複数のジェネリック医薬品メーカーが存在する。提案された規則に関する疑問は、各医薬品メーカーが独自にラベルを更新できるかどうか
  • ジェネリックメーカーのラベル変更するための安全情報を収集する能力のばらつきがある。ジェネリック医薬品会社は、自発的にラベルの更新するため、市販後の安全性情報を評価する必要なすべてのデータを収取もしくは保持していない
  • ジェネリック医薬品のラベルとブランド医薬品のラベル間に顕著な差異が生じるの可能性と、個々のジェネリック医薬品のラベルに顕著な差異が生じる可能性がある
  • 個々のジェネリック医薬品メーカーの情報の入手能力と更新時期によって、ブランド医薬品とジェネリック医薬品ラベルに一時的しても新規・異なる警告が表示される可能性がある
  • 提案した規則施行された場合、ジェネリック医薬品業界に大きな負担を負わせる。
  • ジェネリック医薬品や特定の製品や製造業者の市場への出荷の費用の増加を招く可能性がある

 

  1. 引き下げ後のFDAの対応策

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