英国のEUからの合意無き離脱の場合のguide line(医薬品)

英国のEUからの合意なき離脱が現実身を帯びてきました。
その対策として、英国 保健省は、下記の合意なき離脱に備えてのguide (1/4/2019更新)を発表しています。

Guidance
Further guidance note on the regulation of medicines, medical devices and clinical trials if there’s no Brexit deal

Updated 4 January 2019 

https://www.gov.uk/government/publications/further-guidance-note-on-the-regulation-of-medicines-medical-devices-and-clinical-trials-if-theres-no-brexit-deal/further-guidance-note-on-the-regulation-of-medicines-medical-devices-and-clinical-trials-if-theres-no-brexit-deal

医薬品関連のguideの要点を紹介します。

骨子

  • 中央承認医薬品(CAP)は、英国の販売承認(MA)に自動的に移行します。これは「grandfathering」と呼ばれるプロセスです。
  • EMAに申請を行い、医薬品委員会(CHMP)で推奨意見を受けた、新APIまたはバイオシミラーを含む医薬品の新規申請評価を英国は、認める
  • 新APIの迅速審査•既存の医薬品の包装・ラベルの変更の移行期間2021年末までの期間に行う
  • EUまたはEEA諸国にて販売承認を得ている医薬品の並行輸入の許可は認める方向。

項目別の概要

  1. 法的権能
    MHRAは、独立した医薬品の再試験を要求する権限と、今のところ市場からの製品の承認取り消しの権限を保持します。
  2. 販売許可
    英国のEU離脱後、医薬品を英国内に流通させるためには、MAHは2020年末までに英国に設立すること。ただし、MAHがEU離脱日に英国で設立されていない場合、医薬企業はEU離脱後4週間以内に英国に在する連絡担当者を配置することが期待されます。連絡担当者は、MAに関連するあらゆる事項に関して、承認機関に対して代理であることファーマコビジランスのための有資格者(QPPV)は、離脱日には英国に置かれていること。
    ただし、一時的な免除により、2020年末までの猶予が許可される。
    この期間、英国に居住し運営するQPPVが設立されるまで、EU QPPVは英国のMAに責任を負うことができる。
  3. 医薬品の包装・ラベルに関して
    英国の医薬品向けの医薬品の包装と小添付資料に関しては、英国の要件に準拠するように修正する必要があるものもあります。
    MHRAは、2021年末までに、既存の医薬品の包装および添付資料の修正に関する詳細情報を医薬業界に提供します。これらの修正には以下が含まれます。
    英国のMAHの名前と住所、
    英国の製品ライセンス(PL)番号、
    製造サイトに関する最新の情報などの英国の管理情報。偽薬品のサプライチェーンへの侵入を防ぐために、新たな安全機能に関するEUの要件からは離脱。
    Falsified Medicines Directive(FMD)の安全機能を含むパックは、他の英国の包装要件に適合していれば、英国でも引き続き認められます。
  4. 簡略申請(FDAのANDAに相当)
    後発医薬品申請/ハイブリッド簡略/バイオシミラーの申請に適用は、EMAと同じで継続。
    EUを離脱後の新しい申請については、欧州の先発医薬製品を参照することは不可能となる。新しい簡略申請は、英国のMAに変更されたCAP、または離脱前に承認された未変更のCAPを含む、英国で承認された先発医薬製品を参照すること。
    離脱前に承認された(または保留中の申請の対象となっている)EU先発医薬品に基づく英国のMAは、離脱後も有効。