Ethylene Oxideを用いて殺菌を受託していた大手CMOの工場閉鎖の影響

FDAは、本日 “大規模な受託の滅菌施設の閉鎖に伴う予想される医療device(注射器、容器を含む)の欠品を防ぎ、安全で効果的な滅菌方法の制定を準備している”との声明を出しました。

原文;Statement from FDA Commissioner Scott Gottlieb, M.D., on steps the Agency is taking to prevent potential medical device shortages and ensure safe and effective sterilization amid shutdown of a large contract sterilization facility

https://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/UCM634444.htm?utm_campaign=032619_Statements_Steps%20the%20Agency%20is%20taking%20to%20prevent%20potential%20medical%20device%20shortages&utm_medium=email&utm_source=Eloqua

背景; EPA, IL EPAはUSの大手の受託殺菌企業;SterigenicsのWillowbrook facility (イリノイ州) https://sterigenics.com/technologies/ethylene-oxide/

の工場周辺での環境影響調査を行い、基準値以上のEthylene Oxideの放出が観測された。このため、EPAはSterigenicsに対して、2018年完全指示を出しました。

“EPA in Illinois Sterigenics Willowbrook Facility https://www.epa.gov/il/sterigenics-willowbrook-facility

最終的に、2019年、EPAはSterigenics、Willowbrook facilityに対して、Ethylene Oxideの使用を禁止する措置を取りました。

Ethylene Oxideが使用できなくなることから、Sterigenicsは、Willowbrook facilityの閉鎖を決めました。同様な設備があるViant Grand Rapids facility (ミシガン州) も閉鎖される予定です。

FDAに登録されているSterigenics が受託殺菌している deviceは、594 typeに上る。その中には、注射器、医薬品容器、等が含まれている。(Viantでは、 46 タイプのdeviceの殺菌を受託中)

FDAは、両工場が閉鎖されることは、医薬品企業に大きな影響が出ることを懸念している。

そのため、この対応のHPを開設しました。

Ethylene Oxide Sterilization for Medical Devices

https://www.fda.gov/MedicalDevices/ProductsandMedicalProcedures/GeneralHospitalDevicesandSupplies/ucm634204.htm

現在、FDAはこの2工場の閉鎖を重視して、医薬品の欠品が起こらないように対策を3つ提案しています。その中の1つは、根本的な対策;Ethelene Oxideを用いない殺菌法の検討です。

  • Sterigenics Willowbrook施設の閉鎖とViant Grand Rapids施設の閉鎖が計画されているため、FDAはこれらの受託殺菌施設を使用する医療device製造業者(注射器、医薬品容器を含めた)に対し、サプライチェーンにおける施設の閉鎖によるdevice流通への潜在的な影響の評価を開始するよう求めています。 ユーザー(医療施設など)、そして最終的には患者のケアについて。 FDAはまた医療device製造業者に殺菌を依頼する代替受託企業を検討することを呼び掛けています。 受託企業を変更し、deviceの供給を維持する製造者が講じるべきステップについてはすでに説明しました。 安全で効果的な殺菌済みdeviceを確保しながら、他の受託企業に効率的に切り替えることができるように、FDAは医療device製造業者と協力してサイト変更の申請審査を迅速にすることを約束します。
  • 予想される欠品を防ぐため、FDAは状況を注意深く監視し、患者へのdeviceの欠品の影響を最小限にする戦略で迅速に行動する準備をします。これらには、必要に応じて他の供給ソースからデバイスを利用可能にすることを検討することを含めます。予想される欠品を早期に見つけることで、積極的に対応し、患者ケアへの影響を軽減するための計画を立てることができます。予想される欠品を積極的に特定するための措置を講じています。他の手順の中でも、サプライチェーン内のユーザー、患者、または企業が新製品の出荷の遅れを認識している、または欠品を予測しているユーザーに通知できるように、デバイス欠品メールボックスを設けました。
  • 施設の閉鎖に関連する欠品を引き続き監視しながら、滅菌の専門家、医療device製造業者、その他の政府機関などの関係者と協力して、Willowbrookの施設で確認されたもの同じ問題を起こさない医療機器の滅菌方法を起案します。 滅菌済み医療device機器の約半分が、Ethylene Oxide を使用して滅菌しています。この方法の環境への影響を考慮して、我々は医療deviceを滅菌するための新しく改良された方法が重要であると認識しています。

 

この問題は、FDAが、最後に述べているEthylene Oxideを用いない安全な殺菌法への転換を検討にまで発展しています。今後、Ethylene Oxideの使用規制ならびに代替の殺菌法の検討が、globalで起きる可能性があります。