小児用医薬品及び生物学的製剤のラベル表示に関するguideを発出(FDA)

3月28日に、FDAは“Pediatric Information Incorporated Into Human Prescription Drug and Biological Product Labeling

https://www.fda.gov/downloads/Drugs/GuidanceComplianceRegulatoryInformation/Guidances/UCM341394.pdf“を発出した。

FDAは、このGuideの目的として「処方薬および生物学的医薬品のラベル表示における小児科向けの情報の適切な表示および内容を提示」と、述べている。

さらには、「小児患者への処方薬の使用に関する情報(ポジティブ、ネガティブ、または結論が出てない)がラベル表示内の適切なセクションとサブセクションに表示され、情報が明確になり、 医療提供者がアクセス可能になることである」とも記述している。

この背景には、1990年代初頭までは、大部分の薬物表示には小児用の使用に関する情報が最小限に表示されている、もしくは小児患者を対象とする使用に関しての安全で効果的な用途をガイドする用法の情報は含まれていなかった。1994年に、FDAは、小児用途のラベル表示に関する小区分の要件を改訂した、規則を発表して、やっと、医薬品のラベル表示に小児用途の情報を記載するようになった。この規制は、ラベルの中に、新しい臨床試験、以前に発表された小児の臨床試験、および小児患者への投与およびモニタリング情報の症例報告から、小児患者への情報を包含することを目的としていた。それはまた、製薬会社に既存のデータを調べ、医薬品の表示に十分であるかどうかを決定することを要求した。

また、小児の定義を、このガイドで明確にしている。

処方薬の表示での小児の定義を、CDER・CBERは、一般的に小児群および小児患者を16歳までの年齢(すなわち、17歳未満)と定義している。 この定義には、新生児、乳児、子供、および未青年の年齢層が含まれる。

そこで、小児用医薬品のラベル表示では、FDAは下記の様に定義づけている、特定の年齢層を記述するときには、「X〜Y歳の小児患者」、または「X歳以上の小児患者」というフレーズ(または類似のフレーズ))をするよう記述している。 しかしながら、ラベル表示における小児集団を定義するための代替記述(例えば、初経後)は、有効な科学的根拠がある場合は、ケースバイケースで検討され、認められるだろうとも記述している。

小児用医薬品のラベル表示に関しては、4種のシナリオに基づいて行うことを求めている;

情報の種類に基づく必要があり次のように分類される。

  • シナリオ1:実証証拠からは、小児患者(すべての小児患者または特定の小児年齢層のいずれか)における適応症に対する薬の安全性と有効性を証明されている
  • シナリオ2:小児患者(すべての小児患者または特定の小児年齢グループのいずれか)における適応症に対する薬物の安全性および有効性を裏付ける実証証拠に裏付けられていない。臨床研究からのデータは、その薬が無効であるか、安全でないか、または結論付けられないことを示唆。 
  • シナリオ3:小児患者(すべての小児患者または特定の小児年齢グループのいずれか)における適応症に対して安全性および有効性を裏付けるために利用可能な実証証拠はない。 または小児患者(すべての小児患者または特定の小児年齢グループのいずれか)での研究はPREAに準拠して、控えている。
  • シナリオ4:入手可能な証拠に基づいて、この薬はすべての小児患者、特定の小児年齢層、または特定の小児患者のサブグループでの使用には禁忌。

注;実証証拠は小児患者における適応症に対する薬剤の安全性と有効性を支持する(シナリオ1) 小児科の適応症のための投与を指示するとき、小児科向けの使用情報はラベル中の関連するセクションに記載すること。

表示の実例を示すと;

  • 適応症と使用法:

承認された小児適応症は、適応症と使用法のセクションに記述

当該の医薬品が小児全体での投与に適応している場合は、小児患者または小児という用語を適応の説明に含めること。

例えば:「薬剤Xは成人および小児患者における適応症Yの治療に適応されます。」

ただし、薬物の小児科用適応症が特定の小児の年齢層での使用のみを目的としている場合、適応症の表記には、適応小児の年齢層・年齢を特定することが必要;

例えば:「DRUG Xは、成人および6歳以上の小児患者における適応症Yの治療に適応されます。」

DRUG X is indicated for the treatment of Indication Y in adult and pediatric patients.”

 DRUG X is indicated for the treatment of Indication Y in adults and pediatric patients aged 6 years and older.”

  • 投与量と投与法

承認されたすべての小児科の適応症に対する小児患者の推奨投与量を記述。 このセクションはまた、小児科での使用に関連する重要な調製および投与説明書(例えば、希釈および/または再調製に関する指示)および調製された薬物の安定性のための保存条件も含まなければならない。 NDAの下で承認された薬の承認された年齢に適した製剤が市販されていないが、認可された薬局で認可された薬剤師によって調合することができる場合、ラベリングは薬剤師の詳細な調剤指示を記述。( 懸濁剤および甘味剤の情報を含む)。

  • 有害情報

臨床試験からの小児患者への有害情報データまたは市販後データの詳細を有害情報セクションに含めること。小児患者では新規であるか独特であるか、成人とは異なる頻度または重症度(より高いまたは低い)で発生する副作用の表示には特別な注意を払う。

Special attention should be given to highlighting adverse reactions that are novel or unique in pediatric patients or that occur at a different frequency or severity (greater or lesser) than in adults.

特定の患者への投与、小児への投与

小児患者(すべての小児患者または特定の小児年齢層のいずれか)で同一の適応症に対して薬物が承認されている場合、小児科用サブセクションには必要な規制の記述(小児科使用記述)または 成人用に承認された適応症の代替記述を含まなければならない。

このサブセクションに対する一貫したアプローチのために、成人で承認されているものとは異なる適応症として、小児患者(すべての小児患者または特定の小児年齢グループのいずれか)むけに承認された場合 、小児の使用に関する記述は、通常、小児の使用のサブセクションの最初に記述すること。 以下は、小児科の使用に関する記述の例です。「DRUG X(適応Y)の安全性と有効性は6歳以上の小児患者で確立されています。」

The safety and effectiveness of DRUG X (for Indication Y) have been established in pediatric patients aged 6 years and older.”

小児への投与を支持する根拠が、成人における治験研究(有効性の外挿)に基づき、医薬品が小児科用に承認された場合、このサブセクションには承認の根拠を記述すること。

次の例では、承認の根拠は小児の投与ステートメントの後に表示されます。

「DRUG X(適応Y)の安全性と有効性は、6ヶ月歳以上の小児患者で確立されています。 この適応に対するDRUG Xの使用は、生後6ヶ月以上の小児患者における追加の薬物動態および安全性データを伴う成人における適切かつ十分に管理された試験からの証拠によって裏付けられている[有害情報反応(6.1)、臨床薬理(12.3)、および臨床 研究(14.1)]。

“The safety and effectiveness of DRUG X (for Indication Y)29 have been established in pediatric patients aged 6 months and older.  Use of DRUG X for this indication is supported by evidence from adequate and well-controlled studies in adults with additional pharmacokinetic and safety data in pediatric patients aged 6 months and older [see Adverse Reactions (6.1), Clinical Pharmacology (12.3), and Clinical Studies (14.1)].”

医薬品が成人患者ではなく小児患者のみでの投与が承認されている場合は、ラベル全体に、小児患者での安全で効果的な投与に不可欠な情報を記述すること。

承認された小児科適応症の要約文(小児科利用記述)、および小児科適応症に対する制限は、小児科用サブセクションに記載されること。

例えば:「DRUG Xの安全性と有効性は6歳以上の小児患者で確立されており(適応症Y)、この用途に関する情報はラベル全体を通して記述されています。 DRUG Xの安全性と有効性は、6歳未満の小児患者では確立されていません。」

The safety and effectiveness of DRUG X have been established in pediatric patients aged 6 years and older (for Indication Y) and the information on this use is discussed throughout the labeling.  The safety and effectiveness of DRUG X have not been established in pediatric patients younger than 6 years old.”

小児科の用途の小区分に該当する場合には、薬物の安全で効果的な小児への使用に関連する場合は以下の情報も含め、必要に応じて他のセクションへの相互参照または表示のサブセクションを含めることが必要。

– 小児患者または任意の特定の小児年齢層(例えば、新生児)を対象に投与に関連する特定のリスクまたは安全性の懸念(危険)、および/または特定のモニタリングの必要性。

– 小児科の適応症に対する制限。 承認された適応症にすべての小児年齢層が含まれていない場合は、未承認の年齢層についての適切な小児用使用説明を含めることが必要(例:6か月未満の小児患者ではDRUG Xの安全性と有効性は確立されていません)

“The safety and effectiveness of DRUG X have not been established in pediatric patients younger than 6 months of age”

– 薬物に対する小児および成人の反応の間の差(例:有害情報、薬力学的/薬物動態学的データ)。