FDA (A)NDA申請様式 CTDが変わる

CTDからKASAへ

FDAは2020年を目標にNDA/ANDAの申請方式を、より客観的な審査が行えるシステムに変更を変えるべく、第4回PQRI ・FDA会議(2019年4月開催)でKASAの導入の概要を発表した。

4th FDA/PQRI Conference on Advancing Product Quality

https://pqri.org/4th-fda-pqri-conference-on-advancing-product-quality-presentations/

https://pqri.org/wp-content/uploads/2019/04/PQRI_KASA-Presentation_V4.pdf

今後の申請はCTDに記述する内容・様式が大きく変わることになる;

現在CTD様式での申請では、その内容が文書(FDAは物語と酷評している)の形で記述されている。KASAが導入時には、より標準化されたdataの記述で申請されることが予想されている。

CDERは、現在のCTD様式の申請は「非構造化テキストで構成される新薬(NDA)やジェネリック医薬品(ANDA)の申請は、効率的なFDA審査の妨げになる可能性があると述べました。 あまりにも多くの場合、申請者がリスクを管理に関する重要な情報は「数百ページに及ぶ文書の中に埋没します」と述べています。これにより、審査官の評価が主観的になり、FDAによる決定に一貫性がなくなります。」と述べている。

さらに、KASAとは、「最新の薬物評価システムは、リスクのアルゴリズムに基づいて構築され、申請の組織化された評価のためのコンピュータ支援分析を可能にする」ために開発中システムであると、言及している。

特に、品質等のリスク評価が、品質低減策に直結できるような様式が想定されている。

現状、CTDに記述された申請内容は、FDAの査察官が物語を読むようにして、評価され、FDAの審査のdata baseに保管され、審査・承認作業が進められている。

KASAが導入後は、CTDに記載の内容が、組織化されたdata(つまりコンピューターで判読可能)で入力、FDAへ送付される。審査部門が電子申請として受け取り、そこでは、物語を読むのでなく、入力されたdata客観的な基準で読み込まれてゆくことになる。

そして、審査が高次段階へ済み承認(却下の場合もある)されることになる。

このKASAでは、明確な組織化されたdataが求められるため、従来の審査でたびたび起きた申請者への照会等がなくなるように作られ、申請=>承認への審査機関の短縮がのぞまれている。

 

申請のイメージとして;

が、例として示されている。

 

今後の予定;

CDERの医薬品品質管理局(OPQ)は、年末までにジェネリック固形経口剤形にシステムを展開することを目的として、ジェネリック医薬品のANDAのプログラムで、最初に試験的に運用を考えている。 次は一般的な液剤や注射剤、次に新薬や生物製剤に適用。

 

CDERは次の目標を掲げています;

  1. 前進するための計画
  • PQ / CMCとKASAのデータ構造間の互換性を維持する
  • PQ / CMCデータ交換基準の開発とテスト
  • 2020年3月までにPQ / CMCドラフトガイダンスの作成
  • 製薬企業と協力で、標準化されたデータとともに申請書を提出する
  • PQ / CMC標準化データを使用して、自動生成KASAシステム(テンプレートおよびナレッジマネジメント)を実施する
  1. KASAとPQ / CMCの組み合わせ
  • 規制当局評価の一貫性と客観性を向上させる
  • 製品、製造、設備のナレッジマネジメントを可能に
  • 規制措置および意思決定を支援
  • より明確な規制上の期待。 審査の透明性の向上
  • 第1審査サイクルでの承認が増加する(特にジェネリック医薬品)
  • より手頃な価格で医薬品が入手できる

 

PQ / CMCプロジェクト ゴール:

  • 医薬品品質(PQ)および化学製造管理(CMC)データを申請するための電子基準を確立:
  • PQ / CMC用の構造化データ基準を開発する
  • PQ / CMCデータを送信するためのデータ交換基準を実施する

 

今後のNDA/ANDAの申請様式は、大きく変わること;確かなことはCTD modle3等に記述は、長文ではなくなることである。