ラチニジンに残留が発見された微量のNDMAの残留に関しての中間結果

11月1日、FDA、CDER 局長 Dr.Janet Woodcockはラチニジンに残留が発見された微量のNDMAの残留に関して中間結果を発表した。この発表は、昨年来のバルサルタンに残留していたNitrosoamin 類の経緯発表と同じである。

現在までの、FDAの収去した医薬品、もしくは企業から提供されたサンプルからのNDMAの検出量は微量であることが判明している。この量は、焼き肉、燻製製品に含まれるニトロソアミン類の残留量とほぼ同程度の量であること、代替品には、検出されていないことが強調されている。

 

下記に、私訳とFDAが公表している分析結果を参照願いたい。

Statement on new testing results, including low levels of impurities in ranitidine drugs

For Immediate Release:

November 01, 2019

Statement From: Director – Center for Drug Evaluation and Research Janet Woodcock M.D.

https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/statement-new-testing-results-including-low-levels-impurities-ranitidine-drugs?utm_campaign=110119_Statement_Update%20from%20FDA%20on%20testing%20results%20for%20ranitidine&utm_medium=email&utm_source=Eloqua

アメリカ市民は、処方薬から日々摂取するOTC製品まで米国食品医薬品局が規制する医薬品の品質に確信に値すると思っています。 これらの医薬品の品質と安全性を保証することは、FDAの最大の責任の1つです。 過去数週間にわたって、FDAは、Zantacというブランド名で一般的に知られているラニチジン薬中のN-ニトロソジメチルアミン(NDMA);微量残留汚染物質の検出に努力してきました。この問題を完全に理解し、これらの薬を使用するアメリカ人に有益な情報を提供することを始めました。 ラニチジンの実施中の調査で収集できた情報は、これらの製品の潜在的なリスクについてQ&Aは不可欠です。 このプロセスを通じて、新しい情報でウェブサイトの情報を更新しており、最新の情報を提供しています。

FDAは過去数か月にわたって市場から収去した多数のラニチジン製品を試験してきましたが、今日、これまでの結果の概要を発表しています。 これまでの試験を通して、ラニチジン中のNDMAのレベルは、焼き肉や燻製肉などの一般的な食品を食べた時摂取すると同じようなレベルに近いことがわかりました。 また、ラニチジンが通常の食事で胃の酸にさらされた後、ラニチジンがどうなるかをシミュレートするテストを実施しました。これらのテストの結果は、このプロセスではNDMAが形成されないことを示しています。 同様に、ラニチジンが疑似小腸環境にさらされている場合、NDMAは形成されません。 ただし、ラニチジンがNDMAを形成するかどうかを完全に解明するには、人体の薬物をテストする必要があります。

https://www.fda.gov/drugs/drug-safety-and-availability/laboratory-tests-ranitidine

FDAの試験で検出されたこのレベルのNDMAの多くは、一部の第3者機関の科学者が最初に主張した残留レベルよりはるかに低いですが、FDAが 一部の医薬品では許容できるレベルをまだ超えている医薬品もあります。 医薬品中のNDMAの許容許容摂取量は、2018年のICHガイダンスM7(R1)アセスメントと、潜在的な発がんリスクを制限するための医薬品中のDNA反応性(変異原性)不純物の制御に記載されている方法に基づいています。 FDAまたはメーカーが許容限度(1日あたり96ナノグラムまたは0.32 ppm)を超えるNDMAレベルを検出した場合、現在、製薬企業にラニチジンを自主的に回収するよう求めています。 また、NDMAの化学構造がラニチジンに類似しているためにNDMAが1日の許容摂取量を超えていることがわかった場合、一般名Axidとして知られるニザチジンを自主的に回収するようにメーカーに要請します。

また、FDAはラニチジンとニザチジンのNDMAの残留レベルを測定するため製薬企業に継続して行うことと並行してFDAのLab での分析のためサンプルをFDAに提供するようメーカーに依頼しています。さらに、ニザチジンの製造している製薬企業に残留分析を依頼しました。 NDMAの真の発生源を調査し、医薬品中に存在する低レベルのNDMAの根本原因を理解するために、現在も製薬企業と協力しています。それまでの間、消費者および患者に対するFDAの推奨事項は変更されていません。 OTCラニチジンまたはニザチジンを服用している市民は、他の承認されているOTC製品への使用変更を検討できます。これまでのところ、ヒスタミン-2(H2)遮断薬およびプロトンポンプ阻害薬(PPI)クラスの医薬品のFDAおよび製薬企業の試験では、ラニチジンおよびニザチジンのみでNDMAの検出は確認されています。 Pepcid(ファモチジン)、Tagamet(シメチジン)、Nexium(エソメプラゾール)、Prevacid(ランソプラゾール)、Prilosec(オメプラゾール)などの代替可能な医薬品に関するFDAのテストでは、医薬品にNDMA不純物は含まれていません。

ラニチジンまたはニザチジンを処方されている患者は、他の治療法への変更について医療専門家と話す必要があります。ラニチジンおよびニザチジンと同様の用途に承認された薬があります。さらに、主に新生児と小児患者に使用されるラニチジンシロップの残留試験では、一部の医薬品で、一部のロットで許容摂取量を超えるNDMAが検出されました。許容摂取量を超えた医薬品は回収されています。FDAは両親や小児科医から寄せられた懸念を理解しており、調査を続けます。注射用ラニチジンの残留試験はまだ継続中です。これらの医薬品が承認後試験方法が変更されたかどうか、およびこの状況を鑑みて古い薬の安全性を検討すべきかどうかを求められています。医薬品メーカーとFDAは、医薬品に関する最新の情報を絶えず収集しています。そのため、FDAは寄せられた品質と安全性に関する情報を常に評価しています。試験方法がより高度に、高感度になるにつれて、FDAと製薬業界は、患者に対するこれまで未知のリスクを特定し、軽減することができます。これはFDAは十分に認識していることであり、同様の不純物をFDAは医薬品供給から排除できるように努力しています、すべての医薬品分野で継続的な評価、監視、コンプライアンスおよび医薬品品質への取り組みを行っています。

また、製品開発プロセス中に発生しなかった有害事象を特定するために、市販後監視およびリスク評価プログラムの堅牢な実践をFDAは維持しています。 評価は、患者、家族、医療従事者がMedWatchプログラムを通じて毎年FDA有害事象報告システム(FAERS)に提出した200万件を超える有害事象報告、および医薬品企業から提出された有害事象報告で行われます。 この情報を用いて、安全上の問題点を特定し、製品の安全性を向上させ、患者を保護するためのアクションを推奨しています。 患者と医療関係専門家は、FDAのMedWatchプログラムに有害事象を報告することをお勧めします。

FDAは、安全で有効な承認済み医薬品を服用している患者や消費者にとって、医薬品の不純物は大きな懸念事項であることを理解しています。 これらの調査には時間がかかり、すぐに回答は得られません。 FDAは、状況と取るべき措置について十分に把握している時は、すべての調査結果を公表することを約束します。 FDAは、米国の公衆のために安全で効果的かつ高品質の医薬品を確保するために、医薬品企業と協力していきます。