医薬品に混入したニトロソアミン類不純物に関して、最新の情報を発出

EMAは、3月3日、医薬品に混入したニトロソアミン類不純物に関して、最新の情報を発出した。

Update on nitrosamines in EU medicines

https://www.ema.europa.eu/en/documents/press-release/update-nitrosamines-eu-medicines_en.pdf

概要;

  1. 糖尿病治療薬;メトホルミンの複数のlotで、少量のニトロソアミン類不純物が、検出されている。FDAの見解と同様に、投薬(糖尿病治療薬)をやめることは、ニトロソアミン類不純物の発がん性のリスクよりはるかに大きいから、投薬を続けることを推奨している。さらに、メトホルミンに含まれていたニトロソアミン類不純物の影響評価を行っている。<近々、報告書が発出予定>
  2. 現在、EMAは 医薬品中のニトロソアミン類不純物の管理に関する手法を含めたguidelineを準備中である。
  3. 今後のために、バルサルタンに検出されたニトロソアミン類不純物の事故例を教訓に、今後起こるかもしれない、不純物管理の演習、教育訓練資料を準備している。

全文の私訳は;

EUおよび各国当局は、EU圏内で流通している医薬品中のニトロソアミン不純物の混入を防止および管理するための作業を継続しています。ニトロソアミンは、動物の毒性研究に基づいて、おそらく発がん性物質(癌を引き起こす可能性のある物質)として分類されています。ニトロソアミン類は複数の食物と水道に存在し、非常に低いレベルでの摂取では害を引き起こすとは予想されません。ニトロソアミン類が検出されたいくつかの薬では、患者へのリスクは低いと予想されます。EMAのCHMPによるレビューでは、N-ニトロソジメチルアミン(NDMA)(ニトロソアミン類の1っ種)がラニチジン(胸焼けと胃潰瘍の薬)の複数のバッチにどのように混入したかを現在検討しています。さらに、EMAと各国当局は、糖尿病薬;メトホルミン薬の一部のEU国内で流通しているバッチでNDMAが検出されたため、影響を評価しています。EUでのメトホルミンの分析結果を待っています。以前の発出した推奨に沿って、患者は通常どおりメトホルミン薬を服用し続けて下さい。適切に糖尿病治療を受けていないリスクは、低レベルのニトロソアミンの汚染のリスクをはるかに上回っています。

メトホルミンは重要な医薬品との認識ですので、EMAと各国当局は、患者が必要な治療を受け続けることができるように、欠品を避けるために緊密に協力しています。医薬品中のニトロソアミンの管理する方法に関するガイダンスを医薬企業に提供することを目的に、管理手法の準備は、、現在、証拠を収集し、EUの主要な専門家に意見を検討してもらっています。 2019年9月に発出された手順の結果として、ニトロソアミン類のリスクを評価および軽減するための措置がEU全体で実施されています。EUの当局は、2018年半ばに発生したサルタン中のニトロソアミンの混入からどのような教訓を学ぶことができるかを決定するための演習も計画しています。教育訓練グループは現在、将来の不純物の混入・残留を防止し、より適切に管理するための推奨事項をまとめています。EMAは、各国当局、EDQM1および国際協力者と引き続き緊密に協力し、EUの医薬品の品質を保護するために必要なすべての措置を講じます。