偽造薬とGDP
2017年春に ドイツでも C型肝炎の治療薬 Epclusa 400 mg / 100 mg (日本名 ハーボニー配合薬)の偽造薬が、医薬品流通ルートに混入する事件があったと、医薬関係の情報誌 DAZ.onlineが報じていました。
今回の例では、流通業者で発見されたため、末端の薬局には偽造薬は流通していないと、ドイツの医薬品監視を行っているドイツ医薬品・デバイス研究所BfArMは、断言しています。薬局にまで偽造薬が流通した日本の例とは異なります。
今回の偽造薬は、医薬品流通業者に持ち込まれたものであり、個包装の印字に誤謬が見つかったことから、偽造薬として認視されたということです。
印字の違い
正 | 偽造薬 | |
製造国 | Germany | Deutchland |
成分 | Velpatasvir / Sofosbuvir | Velpatasvir / sofosbuvir |
有効期限 | 存在しない | 15SFPD119 (expiration date 07/2019) |
BfArMは、薬局に在庫品に偽造薬がないかを調査するように指示しています。
この偽造薬問題は、EUの東方への拡大時期 (2001年)から、深刻化して、新規加盟国からの偽造薬の流入が大量に発見されています。<EUは、物の流通が陸路で容易になっているため、東の国(安い)から西の国(高い)へ医薬品も流れることがありえます)
これは、EMA、EU諸国は GDP上の深刻な問題ととらえられています。
日本の省令の改正と同様に、EMAのGDPでは、別ルートで医薬品流通業者に持ち込まれた医薬品がある場合、その医薬品は念入りに調査することは勿論、持ち込んできた流通業者を調査することを要求しています。不審に思われる業者であれば、所在国の当局に問い合わせることも、要求事項にしています。
今後、この偽造薬の問題の対策に、世界的にGDPの順守が強化されると思われます。