Warning Letter(FDA)2018.5.21

欧州医薬局、FDAの査察結果で、不適合と判断されたGLP施設の情報を開示しています。現在、厚労省より求められています、開発管理の参考資料として、活用いただければ幸甚です。

項目 GLP コンプライアンス 詳細 WARNING Letter
US CA 分類 Toxicological Study

FDAは、2017年8月7~11日Oeyama-Moto Medical Group Foundationの毒性試験部門査察しましたが、その際、重大なGLP違反が観察され、改善計画が不十分と判断され2018年5月21日付けで、FDAはWarning Letterを発出しました。なお、同施設は、2016年にもWLを発出されている

概要
製造所名:Oeyama-Moto Medical Group Foundation
住所;3106 East Garvey Avenue South West Covina, California  91791-234
HP:http://www.cancertreatmentus.org/

査察対象:非臨床試験

WLの内容;FDAの査察結果が示すように、GLP 試験施設管理者は、申請のための非臨床データの品質と完全性を確保するための責任を果たしませんでした。 さらに、研究責任者としてのあなたの監督に見られる欠点と、独立したQAUがないことは、あなたの試験施設がGLPに準拠していなかったことを示しています。 その結果、FDAは、試験施設によって生成された非臨床データの妥当性に懸念を抱いています。<この節は、FDAへの申請に用いられた非臨床試験結果の却下を意図している>

主な指摘事項;

1.貴社の試験施設管理では、各非臨床試験に対して、試験を実施する人組織から独立して各臨床検査のモニタリングを担当する品質保証ユニット(QAU)が存在していない。[21 CFR 58.31(c)、21 CFR 58.35(a)]。

貴社の試験施設管理者は、GLP要件を遵守していなかった。具体的には、機能しているQAUの存在を示す記録、または施設におけるQA活動の記録はなかった。さらに、FDAの査察中に、あなたがQAUの長であるだけでなく、研究責任者であることを示唆しました。しかし、この兼務は、QAUが非臨床試験の実施から独立した機能を果たすことを妨げている。

2.試験施設では、試験実施過程で発生するデータの品質と完全性を保証するのに適した非臨床試験方法、動物の適切な取扱いおよびケアを定める標準操作手順書(SOP)の作成を怠った。[21 CFR 58.81(a)および(b)]。

査察中に、あなたは外科医としてすべての手術手順を知っているからと言って、SOPを準備する必要性を認めませんでした。しかし、試験施設は、研究中に生成されたデータの品質と完全性を確保するとともに、適切な動物の取扱いとケアを確実にするために適切な非臨床試験方法を定めるSOPを準備する必要があります。FDAは、試験施設での動物のケアおよび取扱いと非臨床毒性試験方法が、データの品質と完全性を確保するために効果的でも適切でないと結論づけた。

3.試験責任者として、すべての実験データが正確に記録し、確認することを怠った。 すべてのデータエントリは日付付きで署名、イニシャルで確認されていなかった。変更管理では、 変更の理由を示し、変更時に日付が記入され、署名または確認することを怠った[21 CFR 58.33(b)、21 CFR 58.130(e)]

4.貴試験施設は、非臨床試験の結果;生データ、文書、プロトコール、最終報告書、および標本が保存、保管することを怠った[21 CFR 58.190(a)および(b)]。

上記の要件を守らず、すべての生データと標本の保存と検索のためのアーカイブを提供することができなかった。具体的には、非臨床毒性試験の実施中に生成されたすべての組織病理学的標本およびスライドが保管されてはいなかった。査察中に試験施設には限られた数の動物検体および組織ブロックのみ確認できた。

5.溶媒との試験物の混合物については、試験施設管理者は、混合物の均一性、混合物中の試験または対照物の濃度および試験の安定性を決定するための適切な分析方法によって試験が行われたことを保証することを怠った「21 CFR 58.31(d)、21 CFR 58.113]。

上記の動物毒性試験のプロトコールに従って、動物種および投与経路に基づいた濃度に試験品(b)(4)((b)(4)由来)を0.5%のTween-80溶液またはビタミンC溶液に溶解していた;しかしながら、製剤混合物は、試験または対照品の濃度、投与前または投与中の安定性について分析されなかった。

6.各非臨床試験では、試験プロトコールに21 CFR 58.120(a)が要求する情報が欠けていた。

試験施設で実施されたマウス、ハムスター、ウサギ、およびイヌにおける非臨床毒性試験のプロトコールは、GLP要件を遵守してうない。 具体的には、プロトコールはスポンサーの承認日を得ていなく、十分な詳細を含んでいなかった

FDAの対応
現在進行中の非臨床試験が、GLPに準拠しているを見直し、是正することを要求している 

詳細は、FDA のURLを参照願います
https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm610919.htm

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