データの信頼性 Data Integrity

新聞紙上で、報道されている自動車メーカーや鉄鋼会社の話題を見て、企業コンプライアンスのあり方を考えさせられた方も多いかも知れません。後戻りは大変です。

医薬品・医療機器産業は、Regulated Industryと言われますが、データの扱いについて厳しい管理が求められている所はご存知かと思います。原点は、CGMPであり、品質システムと呼ばれる仕組みですが、2016年に米国FDAから“Data Integrity and Compliance With CGMP ” というドラフトガイダンスが発行されています。

すでに読まれた方も多いと思いますが、改めて読み直して頂き、自分たちの手順書にどう反映されているか、企業内の自主点検や内部監査などを通じて再確認し、そのようなことが起こらないような土壌を作っておく必要があります。何がオリジナルデータか、に始まり、そのデータを取るための条件の文書化、再試験、データの棄却などについて、しかるべき手順を設定しておかなければなりません。

昨年から今年にかけて、FDAから気になるWarning Letterが幾つか発行されています。それらは日本企業に対してのもので、データの信頼性にかかわる内容が記載されています。以前は、私もどちらかと言えば性善説の立場で、少々手順書に細かい所まで書いていなくとも、いいモノを作っているのだから問題ないだろう、誠意が通じればと思うこともありました。しかしながら、ビジネスのグローバル化が進んだ現在、国を跨りいろいろな人たちと協力し合い、きちんとコミュニケーションを成立させるためには、米国FDAの考えているところまで踏み込まないと解決できないなと感じています。

かなり昔の話ですが、FDA査察官の話を聞いたことがあります。データがすべてきれいにまとまっているはずはありません。うまくいかないこともあるのが自然で、Upfrontに見せてもらう方がありがたいですとの事。その時の事例に使ったのが、Process Validationの実施リストで、何度か失敗したロットが入っていても問題ないというものでした。日本人なら、いらない心配をしてもらっても・・・、と考える方も多いと思いますが、皆さんはいかがでしょうか?

私は、査察時に全てのロットを提示したことがあります。結果は全く問題ありませんでした。もちろん査察官との信頼関係がベースになりますが、そのためにも、表題のデータの信頼性について、今一度振り返ってみてはいかがでしょうか?

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